Crispy Gamer知人の紹介で、オンラインスロットとかオンラインカジノとか、今はやりのビットコインとかに関係することを執筆するようになった。どのウェブサイトも、チカチカとネオンの照明を照らしているかのように派手で極色彩で、衝動的だ。多分、地味にコツコツ生きてきた自分には最も遠い世界だった。一発逆転なんて、信じたこともないし、狙おうという気持ちもなかった。
それでも調査をする必要があるからJackpot City Casinoというカジノサイトで色々調べていた。すると、昔映画館で楽しんだターミネーター2やバック・トゥ・ザ・フューチャー、タイタニック、ロッキー、ランボー、インディ・ジョーンズがスロットマシンになっていた。実際にプレイしてみると、ギャンブルについて何も知らない自分でも楽しめるのに驚いた。例えばタイタニックだとシンボルは映画で使われている高価な小道具とか、キャストとかが使われていて、フォントもタイタニックで使われているフォントだった。音楽はタイタニックの音楽だったし、大当たりするとディカプリオとケイトウィンスレットが踊り出すムービーが流れた。正直、勝ち負けなんて気にしなかったし、映画の世界に没入した感じだったから、終わった後も楽しいなという感触がしっかりのこった。
TATSUMIもCrispy Gamerの知人に進められて先週ようやく観た。カジノだけでなく、こっちの方面でも疎いのだが、周りに聞いてみるとそれほど知っている人がいなかったので、それほど疎いわけではないらしい。
TATSUMIは辰巳ヨシヒロ氏の長編劇画が原作で、映画を見た後そっちを読みたくなってついアマゾンで購入してしまった。自分にとって、最初の「地獄」が強烈だった。なんというのだろうか、日本人が失った魂というか、泥臭い本物の根性というか、生身の人間の姿とか、ドラマに出会ったような衝撃を受けた。
Crispy Gamerの知人とtatsumiをスロットで開発したらどれだけ世界が面食らうだろうかという話になった。なにせ極彩色の、チカチカの、エンターテイメントの殿堂というようなJackpot City Casinoとかで、ポツンと、黄褐色のスロット。それがTATSUMI. 音楽も重厚ですごい物悲しいものにする。スロットを回すボタンも、軽快さなんかなくて罪悪感を覚えるような音がしたりする。スロットの絵柄は、辰巳氏の漫画で出てくるキャラクターとかだ。goodbyの女性でもいいし、原爆のあの影でもいい。とにかく、スタイルは「ノーモア広島」というか、徹底的に人間の悲哀を表現したスロット。反戦、反核をスロットで表現するなんて史上初の試みだろう。間違いなくどの世界からもクレームが来るだろうが、それはそれでマーケティング的な効果になる。
反戦の要素を省くわけにいかないけど、この映画のストーリーはそのままムービーになる。寒い場面で実際に寒くなって「これが創作の醍醐味か」とか、手塚治虫先生が出てきて「長編をかきなさい」というシーンとか、どれでもムービーになるし、映画の面白さがそのまま味わえる。
という話をCrispy Gamerに載せるつもりだと話したら、Jackpot City Casinoに絡んでる別の友人から不評だったということなので、ここに掲載することにした。